御棚祭Mitanasai

一年の始まりを告げる御棚神事は、龍神を祀る神事として行われます。

1月3日早朝、山から切り出した椎の木を泊の浜に御棚をしつらえ、蛸、ワラさ、餅、神酒、そして「コシキ島」に奉納するための初物のミカンを俵に詰め飾ります。龍神に対しお供えをするこの神棚飾りは「オヤマカザリ」と呼ばれます。

この神事で八幡神社の神職が読み上げるのは桃取地区に伝わる長文の漢文体の祭文「御棚祭文」。天保9年(1838年)以前に書かれたこの祭文には「此祭文之一軸者毎歳正月三日、於泊之浜龍宮神事」と記され、牛頭天王が龍宮に行って龍女と契りを結び、太歳神(たいさいしん)、大将軍(たいしょうぐん)、太陰神(たいおんしん)、歳刑神(さいきょうしん)、歳破神(さいはしん)、歳殺神(さいさつしん)、黄幡神(おうばんしん)、豹尾神(ひょうびしん)と陰陽師でいう八王子誕生の物語が綴られています。

御棚祭文を読み上げ、玉串を奉納した後、龍神の依代「コシキ島」への初物のお供えとして、西の浜で石のおもりを入れた俵を海へ投げ入れます。これにより1年の豊漁と安全を祈願します。

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